(3) ウエハラサイクル
約30年前から上原は佐賀大学において海洋温度差発電の研究を続け、実用化への努力をおこなってきました。その結果、ランキンサイクルに代わる高効率の新サイクルを発明しました。この新サイクルは、従来のクローズドランキンサイクルに改良を加えたもので、作動流体にアンモニアと水の混合液を使います。これによって、より少ない取水量で、より大きな電力を取り出すことができるようになりました。また、出力を増強するために高圧と低圧のタービンを2基使用することにしました。さらに、蒸発器や凝縮器をチューブ式から板状のプレート式に変えました。このプレートはチタンを使って特殊加工を施します。このプレート式熱交換器の開発に成功したことで発電効率や経済性は飛躍的に高まり、世界で始めて海洋温度差発電の実用化への道を開いたといっても過言ではありません。この結果、ウエハラサイクルを使って1万kW以上の海洋温度差発電プラントを作れば、従来の火力発電や原子力発電と同程度の発電原価で発電することができます。
上原らは、この新サイクルを1994年3月にイギリスで開催された国際海洋温度差発電会議で発表し、それ以来 “ウエハラサイクル”と呼ばれるようになりました。この発明は国有特許として日本国内はもとより世界の主な国に出願し特許取得しました。




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